1話

ここでは1話の役設定、名前の付け方、稽古メモの一部を紹介します。

第一稿では二人でしたが、一人芝居になったため電話相手の設定も考えてもらいました。


役設定

嵐山咲希は当時控えめな文芸部1年で今は大学生。少女漫画の主人公っぽい。

電話相手である松竹智香は優しくてさばさばしたJ K。

咲希は都立高校入学と同時に浜松から親の転勤で越してくる。

東京での新生活に不安を感じながら、入学式の日誰よりも早く教室に来て座っていると、次に登校してきたのが松竹智香であった。

お洒落でスタイルも良い智香だが、教室の片隅で静かに座っている咲希に声をかける。

「ねえ、名前は?」

「さ、咲希です。嵐山咲希。」

「咲希ね!私は智香。ねえ、友達になろうよ!」

「え…?私と?」

こうして咲希と智香は唯一無二の親友になっていく。

しかし、成績や志望校を考え始める頃に悩みを抱えた2人は些細なことで喧嘩してしまう。両親ともうまくいっていない咲希は智香が偶然両親と同じことを言ったことで日頃の焦りやモヤモヤを全て智香にぶつける。

普段なら受け止めてくれる智香も咲希の見たこともないヒートアップに困惑し、それがいらいらとなって言い返した。結果咲希が言ってはいけない言葉を投げつけることになってしまったのであった。

そしてその夜、智香は命を落とした

 

名前の付け方

智香が最悪の関係のまま亡くなった後も、何とかして謝りたい、思いを伝えたいと強く願う女の子の思いを文字に表し、嵐吹く山にも希望の花を咲かせたいという思いを込めて『嵐山咲希』に。

 

電話相手の名前の付け方

他の役名に殆ど全て植物に関する文字が入っていたため、智香という音や感じの響きと併せつつ植物を入れて「松竹」に。

平凡な咲希と違ってJ Kをエンジョイできる女の子でありつつ、さばさばした一面や都会慣れしていない咲希に真っ先に声をかけて受け入れてくれる優しさを持つ(役設定参照)ことから全てを調合した雰囲気の名前と漢字を並べ、「智香」となり、『松竹智香』に。

また、咲希も智香も本当に冒頭でしか発されない固有名詞であるため、なるべく聞き取りやすい音を並べた。

稽古メモ